富士山麓病院は、静岡県御殿場市にある認知症高齢者を専門に治療する病院です。

歩行による効果

歩行による骨の振動が認知症からあなたの脳を守る

はじめに
日本は予防医学の発達で、平均寿命86.3才と世界第一位の長寿国になりました。
75才以上の後期高齢者は、全国で1560万人、加齢により入院や治療をすることが多くなり、長期療養率が
高くなってきています。
健康保険の利用巾も狭くなり、新しい被保険者証のみとなっている現状です。
 この選択の余地のない保険制度の中でどれだけ健康に長寿生活を送れるのか、最後まで自立した生活を
送ることが出来るのか? 健康寿命はいくつなのでしょう?
 40~50代の生活習慣がその人の終末の在り方を決定すると言われています。
軽い物忘れや足元センサーが低下して転び易くなる、この兆しから、20年後は確実に認知症を発症すると
言われています。
 2015年、認知症は350万人を超え治療ケアを受けていない潜伏認知症者も30万人はいるそうです。
このまま経過すると2025年、今から9年後には認知症高齢者は2倍の700万人を超えるといいます。
世界でも『中国』は、1億人近くになるといいます。
 高齢者が歩けなくなる原因は、男性が脳血管損傷28%、女性が運動器障害83%とあげられています。
このいづれの原因も歩けなくなることで、急速に有業率が上がり認知症へと加速していきます。
この現状を踏まえ、厚生労働省は膨らみ続ける介護保険料、医療費の拡大、認知症の増加など
その方向性を模索し続けてきました。
 療養者をできるだけ病院・施設から在宅へという方針で移行し始めています。
又、増え続ける認知症対策として、国立長寿医療センターの島田 裕之先生による、認知症予防プログラム
が提唱されました。
コグニサイズ(認知症機能向上エクササイズ)とは、コグニ(Cognition=認知)と
エクササイズ(Exercise=運動)を掛け合わせた造語で頭を使った認知課題と体を使った運動課題とを同時に
使うことで、心身機能と大脳を活性していく運動プログラムとなっています。
天才脳開発『パーフェクトブレイン』の森田 敏宏医師も運動することで脳に二つの影響が与えられると
いっています。
①運動で脳の血流量が増え、酵素やブドウ糖も代謝し、神経細胞が活性化する。
②脳内物質(神経伝達物質)が増えて、脳の中で情報伝達がスムーズになり、脳の衰えを予防できると
いっています。
現代人の生活は、車や掃除機、洗濯機、テレビと機械化されたハイテクノロジーによるデジタル化によって
人間は体と筋肉を使わなくなったことから、運動不足による生活習慣病に体と脳を蝕まれるといっても
良いでしょう。
そこで生まれてきたのが認知症、ガン、高血圧、糖尿病、脳血管損傷といった生活習慣病です。
ここで私たちは、再び生活様式をリセットすべく医師や科学者といった識者達に学び自らの生活と体を
リバースしていく時期を迎えています。

ランニングと運動が脳に与える影響

脳の神経細胞と毛細血管・大脳皮質は新生・増殖しています。

1)アメリカ イリノイ大学の神経科学者 アーサー・クレーマーの調査によると60~79才の人達に
   週3回1時間の運動を6カ月継続した後、脳のMRI検査をすると前頭葉と側頭葉の皮質容量が増えた。
      これは脳の中で新しい血管や新しい神経細胞が生まれ、新しいネットワークも沢山できて、
  脳は活性化します。
  単純な運動よりも複雑でいつもと違う運動の方が脳の神経回路に影響を与えます。
  複雑な動き程、脳のネットワークを拡げるとアーサー・クレーマーは報告しています。
2)ハーバード大学疫学研究者 ジェニファー・ウーブも70~81才の1万8766人の認知能力を分析した結果
  週に合計 1時間30分のウォーキングでも脳の機能は保てるといっています。
3)天才脳開放『パーフェクトブレイン』の森田 敏宏医師は運動することで、脳に2つの影響が
  与えられるという。
 ① 脳の血流が増える
   運動することで脳血流量が増えれば血中の酸素や脳のエネルギー源であるブドウ糖も運ばれ
   脳の神経細胞は活性化します。
 ② 脳内物質(神経伝達物質)が増えてくると
   神経伝達物質は、脳の中で情報伝達がスムーズにいくように働きかけるので脳の衰えは
   防げるといっている。
 運動によって分泌される脳内物質は
  ・ ノルアドレナリン … 活動をアップする
  ・ ドーパミン … 意欲、前向きな性格、幸福感をもたらす
  ・ セロトニン … 脳に安定性を作り出す、幸福感
  ・ エンドルフィン … 多幸感をもたらし脳内モルヒネという
  ・ オキシトシン … 幸福、愛情ホルモン、癒しがある
4)2009年 国立研究開発法人 産業技術総合研究所の発表では成体の脳内で新しい神経を作り出す力
     と称して、成体脳内の海馬に成体神経幹細胞があり、ここから新しい神経細胞が生み出される。
  神経幹細胞(ニューロン・アストロサイト・オリゴンラントロサイト)は細胞分裂を繰り返す多分化能で神経新生である。
  神経は成長すると報告しています。
5)骨折時の治療に用いられる超音波治療法は骨振動の原理である。
  サッカーのデービット・ベッカムや野球の松井秀喜選手が骨折を早く治したい時に用いたのは、
  微細な超音波による、骨の振動によって骨膜細胞の毛細血管と神経細胞に温熱作用を与え
  活性・増殖させ、骨密度の上昇、骨の形成を早めるという効果を得ています。
  これは通常の1.5倍の早さで治るとも言われています。
6)うつ治療に用いられるTMS治療
  うつの治療に注目されているTMS治療(経頭蓋磁気治療)は、微細な電気と磁気の振動を利用し、
  血液循環をあげ、扁桃体は温熱作用で暖かくなり血管と神経を活性するという。
  結果的に扁桃体の機能は向上し、脳のコントロール力は回復する。
  うつ時の自分はダメな人間という意識から、自分は出来ると意欲的になり副作用もなく治療効果を
  得ているという。

 スローランニングはウォーキング運動は、なぜ認知症予防に良いのか
 (一歩にかかる重力はニュートンの第3の法則 作用・反作用である)

 ウォーキングをしている足底の一歩にかかる重力は
 ニュートンの第3法則 作用・反作用の法則に基づき
 作用によって足底が床を押していると同時に、反作用によって
 床も足底を押し返しています。
 足底は床反力を受けています。 

  この反作用で足底に受けた床反力・重力は足の骨→上・下肢の骨→骨盤→脊柱→脳→頭蓋骨へと
 骨の縦振動によって伝播・吸収されながら、脳に縦型の振動刺激となって伝わります。
 体温が1℃上がると免疫力も70%上がります。
 体を動かすと血流が増え、体温が上がり海馬の血流も上がります。
 更に骨の振動によって温熱作用という刺激を受けた毛細血管と神経は賦活され更に成長していきます。
 又神経伝達物質が増えるとシナプス・ニューロンの神経細胞とネットワークが増えて大脳を活性化し
 認知症を予防します。
  イリノイ大学 アーサー・クレーマー教授(心理学)は、45分/1日のウォーキング(有酸素運動)を
 1年続けると70才の脳回路が30才並みに若返り・記憶力・計画立案力・複雑作業能力などが向上すると
 いっている。

○ なぜ歩行なのか
  ランニング時の一歩にかかる重力・負担は体重60kgで1歩の足に約1.1倍の66kgの重さになります。
  走ると約3倍、ジャンプ時には6倍の重さになるといいます。
  従って無理な運動をすると膝・股関節・腰を痛める人が多くなるのは当然といえます。
   人間の踵骨は、体重の約8割を受け止められます。
  直立で歩くと人間の踵骨は体重の8割を受け止めていますが、足底には4つ位の骨の出っ張り体重を
  分散して支えています。
   この分散がうまくできないと足底に魚の目ができたり、踵が痛くなることがあります。
  歩行の一歩にかかる重力は地面や床でニュートンの作用・反作用の法則で、足底から脊椎、脳、頭蓋
  へと振動し、振動刺激となってる作用を受けています。
   この時の足の踏み出し方や体脂肪によっても体に伝わる微振動の伝わり方は違うようです。
  例)地面に落下させた2・3mの棒は、地面に刺さったあとワナワナと振動している状態が見られます。
    これも反作用による振動である。

○振動刺激の作用
   骨には骨細胞があり、脳の海馬には神経幹細胞があります。
  それぞれの毛細血管と神経が振動刺激を受けると温熱作用の働きで血液循環が良くなり、
  体温も上昇して代謝します。
   代謝が上がると栄養である酵素もブドウ糖も運ばれ血管の血流は上がり、酵素の入った血液も
  活発に流れます。
   すると脳内伝達物質(ドーパミン、エンドルフィン etc) も分泌され、ニューロン間もネットワーク
  が拡がります。
  血流が増え、ネットワークが拡がると脳の皮質容量も増えると
 「イリノイ大学 アーサー・クレーマー教授」もいっています。
  従って何%かの神経は新生していることになります。

 従って適度な運動を交えたエクササイズや歩行は
 ① 酵素とブドウ糖の多い新鮮な血液が血管を太くし流れている状態で血管・神経は成長します。
 ② バリエーションのある運動とスローウォーキングからの骨振動刺激で脳の神経は活性・成長します。
 ③ 運動と骨振動で体温が上昇する。(1℃上がると免疫力も70%上昇します)
   従って① ② ③の条件が揃うと前頭葉(脳のコントロールタワー)の働きが良好になり
   脳内物質が出て、脳の働きも活性します。
    うつ時の自分はダメな人間という意識から、自分は出来ると意欲的になり副作用もなく治療効果を
   得て、脳皮質・脳神経・脳の神経細胞は毛細血管と共に大きくなっていきます。
   頭の回転力・判断力・記憶力は良好になり認知症を予防します。

ウォーキング健脳法

 東京都健康長寿医療センター研究所の青柳 幸利先生のあらゆる病気を防ぐ
「一日 8000歩 速歩き 20分」健康法という本が出版されて話題を呼びました。

 あらゆる病気を防ぐのは              → 1日 8000歩 速歩き 20分
 うつ病の予防には                 → 1日 4000歩 速歩き 5分
 心疾患認知症の予防に(現在の人口 460万人)   → 1日 5000歩 速歩き 7.5分
 ガン・骨粗しょう症の予防に(現在の人口 100万人)→ 1日 7000歩 速歩き 15分
 高血圧・免疫力の予防に(現在の人口 4000万人)  → 1日 8000歩 速歩き 20分
 糖尿病の予防に(現在の人口 950万人)      → 1日 8000歩 速歩き 20分
 メタボリックシンドロームの予防に         → 1日 10000歩 速歩き 30分

 上記のように、2013年の疫学的研究の成果を一目でわかるように報告してくれました。

<実践のポイント> BP測定をして、万歩計をセットする
① 歩くのは夕方が良い - 水分補給をし、体温が上がって代謝の良い時間に行なう
② 歩行前・中・後に補水します。
③ 歩行は、60cmを目安に(手を大きく振って)歩きます。
④ 自分の足に合った靴を履きましょう。
⑤ 就眠は、22時~24時の間に就寝し、睡眠ホルモン(メラトニン)をとって体をリニューアルする。
⑥ 1日1回は、太陽を浴び CaやVdの吸収を良くします。
  ※10時頃外出するとメラノサイトサイクルで22時には眠くなります。
⑦ 老化予防の歩き方
walk⑧ 長寿遺伝子は、生活習慣から作られるもので毎日続け習慣にしましょう。
⑨ 歩行時も、赤いものやパン屋は何個あるなど数えながら行い(デュアルタスク)は
  脳を活性します。
⑩ 鼻の頭に汗をかいたら休む、ダラダラ汗をかかないうちに
⑪ グー・チョキ・パーで上に上げながら歩きます。
⑫ 8の字を描いて横に振り歩きます。

 

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